ナンバンギセル(南蛮煙管)

ぶどう畑の入り口にうつむきかげんにひっそりと咲く花がありました。「ナンバンギセル」です。

 

ナンバンギセルの花期とぶどうの出荷時期は、ほぼ同じ時期のようです。出荷の時期は忙しいので気が付くことがありませんでしたが、咲いていたのですね。

 

後ろにススキの葉が写っていますが、このナンバンギセルは光合成をせず、ススキなどに寄生して生きる寄生植物だそうです。同じ種類で「オオナンバンギセル」という種類もあるそうで、こちらの花は少しゴージャスで茎も真っ白。深窓の令嬢と言ったところでしょうか。

 

全草を薬草にするのだそうで、生薬名は「野狐(ヤコ)」。別名を「思い草」…万葉集にもうたわれているそうです。昔から日本人の生活のすぐそばに、ススキと共にひっそりと命をつないできたのですね。ぶどう畑の地区は、平家の落人伝説がある場所。難を逃れた平家の人々も、この花に癒されたのでしょうか。