「電柱鳥類学」著・三上修 / 発行・岩波書店

1カ月ほど前から、自宅近くの電柱の四角い横棒にスズメが入ったり出たりしているように見えます。相方と「出入りしてるよね…」「でもあんな所は入れるのかな~…」などと話していました。

 

そんな折、絶妙なタイミングで素敵な本に出合いました。考えてみたら、今や鳥たちと「電柱・電線」は切っても切れない関係。(…あ…電線切れたら困りますが…。)そこに目を付ける研究者が居ても不思議じゃない…という事にも、改めて気付かされます。

 

鳥の本ですが、最初は電柱や電線の話し。…でも、その内容から目からウロコ。いつも見慣れた電柱や電線が美しい芸術作品に見えてきます。そして、最後は自然と人との関わり方まで。いろいろ考えさせられる内容になっています。…というと、なんだか堅苦しそうな感じがしますが、優しい文体でユーモアも交え、文字も大きい(これ大事!)。とても読みやすい本です。

 

外での作業中にうろちょろする野鳥が可愛くてハマったバードウォッチングですが、野鳥を研究する人たちの本を読むと、今まで知らなかった世界が身近に広がっていたんだと教えられます。たまには、じ~っと電柱・電線を観察してみたら、気付かなかった世界がそこにあるかも?

 

ちなみに「電柱鳥類学」というのは筆者の造語なんだそうです。…でも、そのうち本当にそんな学問が確立するかも?